紅景天のおはなし
紅景天のおはなし
チベット、中国北東部やロシア等に育成するベンケイソウ科の高山植物で、冬虫夏草と並ぶ貴重な高山植物として、珍重されています。
米国、EUでもハーブ薬として広く使用されています。
紀元前200年前中国最古の薬草の本『神農本草経』に掲載され、「これを君とし、命を養うことを主とし、天に相当するものである。これは毒がないから長期にわたって服用しても害はない。不老延年、軽身益気を欲するものが飲むべき薬草である。」と記されています。
17世紀中国清の4代皇帝「康熙帝(こうきてい)」は、紅景天に『千人賜りし草』と命名しました。
千人から教えてもらった紅景天を兵士に飲ませ、兵士の疲れを瞬く間にとり、一挙にして反乱を治める事が出来たと伝えられています。
旧ソ連において紅景天が宇宙食に採用されました。
これは酸素が少ない所で、呼吸困難になる事を防ぐ効果が紅景天に確認されているからです。
ガガーリン大佐の乗った人工衛星が世界初の有人宇宙飛行を実現したのは有名です。
近年、中国では紅景天の薬効効果を再認識し、医学での研究が進んできました。
中国の北京オリンピック選手の強化栄養食として、紅景天が使用されたことが伝えられています。
紅景天は乾燥させて茎をエキスにして濃縮して使用します。茎の粉末そのものでは作用が弱いからです。
濃縮したエキス成分で人による研究が米国、EU等で行われています。
紅景天は抗ストレス、抗疲労によい事が分かりました。①,②
これは紅景天が赤血球産生を促進し、酸素をうまく体中に供給させる事が出来たことによると考えられ、腎臓に非常に良い作用であると考えられます。
他に肝臓の機能の保護③、血糖値を低下させ④、腎臓に作用し血流を改善する⑤ことにより、抹消部位の冷えを改善する可能性があります。
まさに『千人賜りし草』なのです。
①Phytomedicine 2000 7.2
②Plant Medica 2009 75.2
③World J Gastro 2003 9.7
④Eur J Pharma 2008 588.1
⑤Plant Medica 2009 75.11